ライバル行動の誘惑
前章で触れた通り、本来の私は夜型で、朝早く起きたり、朝から活動するのが苦手です。
しかし、「貯筋ダイエット」を始める決心をし、「筋肉を増やし、体脂肪を減らそう!」と意気込みました。
筋トレと有酸素運動をするために、エニタイムフィットネス(以下「エニタイム」)に入会して、早起きして通うことにしました。
最初のうちは意欲も高く、「今日はサボろうかな」という考えはほとんど浮かばず、朝もしっかりと起きられました。
しかし、そう簡単にはいかないものです。
エニタイムへの通い始めから数週間が経過し、冬の寒さが厳しいある朝、布団の暖かさが心地よく、「今日は布団から出ずに、昨日公開されたばかりの宇多田ヒカルの新曲MVを見ようかな」と思いました。
別の朝は「外は雨で寒そうだし、エニタイムは今日はパスして、『マイデーモン』の続きを見てから出勤しようかな」と考えました。
この時期に読んでいたある行動科学の本によると、私たちが本来取るべき行動の代わりに選びがちな、より楽で心地よい行動を「ライバル行動」と呼ぶそうです。
●本来とるべき行動
=早起きとエニタイムでのトレーニング
●ライバル行動
=もう少し寝る、韓流ドラマを見る
自己反省をしてみると、私はこの「ライバル行動」の誘惑にほとんどいつも負けてきました。負け続けてきた人生を、まあ良しとしてきたわけです。
朝活は推し活タイム
ライバル行動の誘惑に、どう打ち勝ったら良いか?
私は思案の末に、朝の時間を待ち遠しいものに変えることにしました。
考え方を変えてみましょう。運動する時、ただ単に身体を動かすだけではなく、楽しみながら動かすのはどうでしょう。
MVやドラマを見る「推し活」の楽しみを、エニタイムに行った時に味わおう!
敵と思っていたライバル行動を、味方に取り込んでしまえ!!
有酸素運動をする際、私はiPad Proを持参し、YouTubeでK-Popのミュージックビデオを楽しみながら運動することにしました。
「1・2・1・2」とリズムを取りながら、推したちの音楽&ビジュアルの世界に没入するんです。
ありがたいことに、エニタイムには高速なフリーWifiがあり、ワイヤレスイヤフォンを使えば、他の人に迷惑をかけることなく自分の世界に集中できます。
私のYouTubeプレイリストは、推しのK-Popアイドルたちの曲でいっぱいです。
Le Sserafim(ル・セラフィム)、
NewJeans(ニュージーンズ)、
IVE(アイブ)、
Twice、
ITZYの曲が次々と流れ、体を動かすことがさらに楽しくなります。
目標心拍数に近づくと確かに体はきつくなり、息も上がりますが、まるでライブに参戦しているかのような気持ちになれます。
苦しさを感じるどころか、高揚感でいっぱいになり、楽しみながら運動ができるのです。
このように、エニタイムを「推し活の時間」と位置づけることで、朝のライバル行動に打ち勝つことができました。
「もう少し布団でゆっくりしよう」とか「雨だし、今日は休もうかな」という誘惑を軽々と跳ね返すことができるんです。
そして、気づけば自然と朝5時前には起きられるようになり、朝食を済ませて6時半にはフィットネスジムへ向かう、新しい習慣が身についていました。
楽しみ方のバリエーション
ジムに通い始めた当初は有酸素運動の時に、K-PopアイドルのMVを見ながらが定番でしたが、だんだん欲がでてきました。
元々好きだった、日本のアーティストのライブDVDをリッピングして、曲順を編集してエリプティカルするのにもハマりました。私にとっては、以下の多彩なアーティストのパフォーマンスで運動のモチベーションを上げてくれます。
●ヘビロテの日本アーティスト
・宇多田ヒカル
・欅坂46
・リトルグリーモンスター
・岡村靖幸
・HIMARI
特に宇多田ヒカルの「BOHEMIAN SUMMER 2000」は、激しめの有酸素運動にピッタリです。何十回これを見ながらエリプティカルをしたことか。
「甘いワナ」で宇多田さんが縦乗りジャンプする場面は、最高に気分が上がります。
一方で、自動階段を使った運動、「クライムミル」には、NetflixやTVerで視聴できるアニメやドラマが良く合います。
作品を観ながら運動すると、物語の展開に夢中になり、運動の苦痛を感じることが少なくなります。
階段をひたすらのぼる単調な運動が、韓流ドラマの続きが気になって、まったく苦になりません。
エニタイムに行き始めてからの1年数ヶ月間で、クライムミル中に全話踏破(?)したのは以下です。
●お気に入りアニメ
・ヴァイオレット・エヴァーガーデン
・スパイファミリー(1,2)
・スキップとローファー
・薬屋のひとりごと
・葬送のフリーレン
ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、本当に泣けます。映像も最高に美しいし。クライムミルで、涙を流しながら自動階段を上っているおじさんは、苦しくて泣けているわけではないのです(笑)。
●踏破済みの韓流ドラマ
・キム秘書はいったいなぜ?
・その年、私たちは
・イルタ・スキャンダル
・社内お見合い
・イ・ドゥナ!
・キング・ザ・ランド
・マイデーモン
私は、気軽に見られる王道ラブコメが好きなので、特に「キム秘書はいったいなぜ?」や「キング・ザ・ランド」を見ている時は、幸せホルモンの分泌が高まっていたと思います。
まとめ
このようにして、ダイエットを始めてから半年間、早起きしてジムに通う習慣を確立できました。
週3〜5回のジム通いは、K-Popアイドルやアニメ、ドラマに対する愛情が支えてくれたおかげです。
運動時間が「推し活」タイムとなり、ライバル行動の誘惑にも負けず、サボることなく続けられています。
次回は、「リバウンド克服法と行動科学」に焦点を当てます。どのようにして運動習慣を持続させるか、さらに探求していきましょう。
「4-2. 帯状疱疹からリバウンドへ!」でお会いしましょう!