はじめに/1章 筋肉を貯める

1-4. 私の筋トレメニュー

傷つけられて、筋肥大!

私が筋トレに励む一番の理由は、筋肉を増やし、体を強くすること、つまり「貯筋」です。

さて、筋トレ、これは一体どういうものなのでしょうか?

エニタイムフィットネスに入会し、Kindleで『世界一使える筋トレ完全ガイド』(荒川裕志著、日本文芸社)を読んだとき、「筋トレとは何か」がとてもシンプルに説明されていました。

筋肉に適切な負荷をかけることによって、筋肉を成長させ(筋肥大)、それに伴い筋力を向上させるトレーニングです。

人間の体は、ストレスを受けると、そのストレスに耐えうるよう身体を適応させる能力を持っています。筋肉も例外ではなく、大きな負荷を繰り返し受けることで、より太く発達するんですね。

筋肉を発達させるには、ダンベルやマシンを使って特定の筋肉に繰り返し負荷をかけることが基本です。この過程で筋繊維に微細な損傷を与え、その修復過程を通じて筋繊維自体を太く、強くすることが「筋肥大」の鍵なのです。

つまり、筋肉に敢えて「傷」をつけ、筋繊維を微細に断ち切ることが筋トレのポイントです。

筋トレを通じて筋肉をつけるというのは、実に興味深いメカニズムですね。三島由紀夫のように、被虐や苦痛を求める傾向がある人がボディビルに惹かれるのも、この理由からかもしれません。おっと、少しマニアックな例で熱くなってしまいましたね。

筋トレメニューを決める

筋トレには、自宅でできるダンベルや自重トレーニングのように、気軽に始められる方法もあります。これは経済的で、すぐに取り組める魅力がありますよね。

でも、私は自宅の快適な空間を出て、エニタイムフィットネス(以下、「エニタイム」)のような特別な場所で、本格的に筋トレをしたいと思いました。

エニタイムにある様々なトレーニング・マシンを存分に使いたいと考えたのです。毎月の会費が8,000円もするのですから、しっかり元をとらねばなりません。こういった時には、私の貧乏性も役に立つものです。

Kindleで購入した本やインターネットの情報を参考にしながら、エニタイムでのトレーニングを始めてみました。初めのうちは、様々なマシンを試して、自分に合うものや合わないものを見極めました。自分の体を動かしてみないと分からないことも多いですからね。

私は筋トレ初心者として、シンプルで基本的なマシンを使い、全身の筋肉をバランス良く鍛えることを目指しました。エニタイムのトレーナーのアドバイスを受けながら、以下の6つのトレーニングメニューを組み立てました。これらを約25分間で行います。

エニタイムでラットプルダウンに取り組む私
  1. ラットプルダウン
    これは私のお気に入りです。両手でバーを掴んで両肩又は胸の前まで引き下げる感覚が、トレーニングしている実感を強く呼び起こします。この感覚が大好きなので、最初に行います。
  2. レッグプレス
    転倒防止には、脚とお尻の筋肉が重要です。スクワットの効果を持つレッグプレスは、筋トレの基本中の基本です。
  3. チェストプレス
    筋トレの成果として、厚い胸板が期待されます。大胸筋を鍛えるには、チェストプレスが最適です。
  4. シットアップ(腹筋)
    いわゆる腹筋運動。シックスパックを目指すにはまだ遠いですが、出っ張ったお腹を引き締めるために取り入れました。角度調整が可能なデクラインベンチで行います。
  5. インナー/アウターサイ
    太ももの内側と外側を鍛えるマシンで、レッグプレスではカバーしきれない部位を強化します。少しマニアックですが、取り入れてみました。
  6. チンニング(懸垂)
    高校時代、アーチェリー部のキャプテンとして毎日懸垂をしていましたが、久しぶりに挑戦すると、これがなかなか大変。膝を曲げて負荷を軽減できるチンニングマシンを使い、10回1セットから始めました。

段階的に負荷を上げる

筋トレの醍醐味は、筋肉が負荷に適応し、筋肉量を増やす過程にありますね。負荷を与え続けることで筋肉を育て、筋肥大を目指すわけです。

一般的に筋トレでは、1つのメニューを10回行うのが推奨されています。このとき、重要なのは、8回目あたりで限界を感じ、震えが出始め、10回目を終えるかどうかの瀬戸際で力を振り絞ることです。

この「やり切る」瞬間に、筋肉の微細な損傷が生じ、筋肥大につながるんですね。もし負荷が軽すぎて楽々とこなせてしまうなら、筋トレの意味が薄れてしまいます。

つまり、筋肉が負荷に慣れてきたら、筋繊維を損傷させるためにも、負荷を段階的に上げていく必要があります。

筋トレ開始から3週間が経過したころ、「10回をスムーズにこなせるようになったな」と感じました。そこで、次の段階として、各トレーニングの重量を一斉に上げることにしました。

結果は、予想通りのキツさでした。わずかな重量増でも、10回完遂できないことがありました。でも、それが正しい道であると実感。「これが筋トレの醍醐味だ」と心から感じたのです。

成長を実感できる悦び

筋トレの旅は、ただ筋肉を増やすことだけではありません。負荷を徐々に上げていく中で、自分の身体の変化を感じることに、大きな喜びがあるんですね。

筋トレを始めて3ヶ月が経ったとき、私の筋肉量は49.5KGから52KGに増えました。さらに半年後には、54KGを超えるまでになりました。筋肉量が増えることはもちろん嬉しいのですが、それ以上に筋トレメニューの負荷を徐々に上げられるようになる過程が楽しいのです。

例えば、私のお気に入りのラットプルダウンでは、始めは41KGからスタートし、1年後には54KGまで負荷を上げました。

そして最近になって、勇気を出して64KGに挑戦しました。まだ8、9回目で力尽きてしまいますが、コツコツと続けて、10回を楽々こなせる日を目指しています。

負荷を段階的に上げる

まとめ

50代後半になり、「自分の筋肉量はこれから減少し、衰えていくのではないか」という不安を抱えていました。

しかし、」この1年数ヶ月の経験から、「50代後半でも成長することができる。筋肉量を増やすことができる」という確信を得ました。これが、筋トレによって得られた最大のメリットではないでしょうか。

1章「筋肉を貯める」では、「貯筋」の大切さや方法について、ひと通りお伝えできたと思います。

次からの2章「体脂肪量を減らす」では、いかに脂肪を燃やしていくか、「ダイエット」の側面に焦点を当てていきたいと思います。

2-1. 良い脂肪、悪い脂肪」でお会いしましょう!

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