3章 睡眠の質 4章 リバウンド

4-3. 行動科学でリバウンド克服!

頼るのは行動科学の力

疱疹後神経痛が3ヶ月を過ぎてから、私の日々は少しずつ楽になりました。

この変化をきっかけに、「リバウンドと本気で向き合い、3ヶ月後には過去の自分を取り戻そう」と強く思うようになりました。

今までに糖質制限をはじめとする様々なダイエット法に挑戦しては、結局リバウンドしてしまい、何度も挫折の繰り返しでした。

そこで今回は、行動科学の知見を頼りにリバウンドとの戦いに挑むことにしたのです。

この目標を達成するために、以前Kindleで購入した行動科学関連の本を、もう一度手に取って読み直しました。

竹内康二氏の『めんどくさがりの自分を予定通りに動かす科学的方法』からは、特に印象深いアドバイスがありました。

行動分析学では、行動が予定通りに進まない原因を個人の意志の力に求めることはありません。

環境を調整する技術があれば、多くの行動をコントロールできます。

この言葉を胸に、エニタイムフィットネスに足を運ばない自分、コンビニのスイーツに手を伸ばしてしまう自分、夕食で食べ過ぎてしまう自分を責めるのをやめました。

意識改革や根性論に頼るのではなく、よりロジカルに、冷静に、行動の条件や環境を意図的に変えることに集中しようと決めたのです。

リバウンドを引き起こす3つの行動をはっきりさせました。その原因は以下の通りです。

  1. エニタイムフィットネスでの朝の活動を怠る
  2. 思わずコンビニのスイーツを購入してしまう
  3. 夕食での過食

これらの行動を引き起こす環境を変えることが解決策です。それにはどのような対策を講じれば良いのかを具体的に考え、次の解決策を実践に移しました。

解決策① エニタイムに
行く曜日を決める

リバウンドの一因、それはエニタイムフィットネスへの朝活トレーニングを怠ってしまったことにあります。

ダイエットを始めた時、「毎日有酸素運動をするぞ!」と意気込んだ結果、体脂肪率は順調に減少し、その成功がさらにモチベーションを高めていました。

筋トレは、筋肉の修復を考慮して交互に実施していましたが、有酸素運動に関しては毎日行うべきだと信じていました。

しかし、帯状疱疹とその後遺症の影響で体調が優れなくなり、毎朝「今日はエニタイムに行こうか?」と悩むようになりました。

この悩みは、朝の痛みや意志の強さに左右されがちで、結果的には「今日は休もう」と決めることが多くなりました。

そこで、行くか行かないかの「判断」そのものをなくすことにしました。具体的には、エニタイムへ行くペースと曜日を決めてルール化することです。

●自分ルール

  • 基本は2日続けて行き、1日休む。
  • 行く曜日は日曜・月曜、水曜・木曜。
  • 用事があれば臨機応変に休むか別の日に行く。

簡単な変更かもしれませんが、これで毎朝の悩みから解放されました。意思決定の回数を減らし、ルーチン化することで、「意思の疲労」を防ぐことができます。

これは、精神的なリソースの消耗を防ぎ、目標達成への道をスムーズにする手法です。

さらに、「フリクション(障壁)を減らす」戦略も取り入れました。これは、目標達成のための障壁を可能な限り取り除くという考え方です。

物理的、心理的な障壁が少ないほど、行動を起こしやすくなります。

例えば、ジムへの準備を事前にしておくことで、「面倒だから行きたくない」という思いを減らします。

家の合鍵をジムバッグに常備したり、汗拭きタオルを洗ったらすぐにバッグに入れたりすることで、行動を起こしやすくしています。

これらの工夫によって、エニタイムフィットネスへ行くことが以前のような習慣に戻りました。運動習慣の崩壊というリバウンドの原因を克服することができたのです。

解決策② コンビニスイーツを食べる曜日を決める

リバウンドのもう一つの理由は、コンビニスイーツに手が伸びてしまうことです。しかし、甘いものへの欲求を完全に断つことは、私には無理です。

それはまるで、自然の法則に逆らうようなものですね(笑)。深く考えてみると、「休憩時間にコンビニに行く」という行動が原因で、結果としてスイーツを手に取ってしまうわけです。

そこで考えたのが、「休憩時間の過ごし方」を見直し、新たなルールを設けることです。

休憩時間の新ルール

  • 休憩時間は、近くの公園で散歩を楽しむ。
  • コンビニでスイーツを買うのは、金曜日だけにする。

行動科学の視点から言えば、「コンビニに行く」という前段階の行動をコントロールすることが重要です。

つまり、スイーツを買うためにコンビニに行くという条件付けされた行動を、意図的に減らすわけです。

このため、コンビニに行くのは金曜日の午後だけと決め、他の日は公園散歩に切り替えました。

金曜日にスイーツを楽しめるという見通しがあるだけで、週の残りを公園散歩で過ごすことが、ずっと楽しみになります。

このアプローチは、スイーツへの期待が公園散歩を続けるモチベーションとなり、行動科学的には「報酬による動機づけ」に当たります。

さらに、公園散歩は健康にも良く、リフレッシュにもなるため、一石二鳥の効果があります。このように、小さな自分ルールを設けることで、大きな目標達成への道が開けるのです。

解決策③ 「腹八分目」と心で唱える

過食、特に夕食時の食べ過ぎがリバウンドの大きな原因の一つでした。帯状疱疹の影響で痛みが続いている間も、「病気の時は栄養をしっかり取らなきゃ」と自分に言い訳して、結果として食べ過ぎてしまっていました。

過食と和食
過食している日本人男性をAIに描いてもらったら・・

解決策の第一歩として、家族に対するお願いから始めました。「美味しいけど、夕食の量を少し減らしてほしい」、これは私のダイエットへの本気度を伝える宣言でした。

ダイエットの目標を声に出すことで、その目標に対するコミットメントを強化し、達成に向けたモチベーションを高めるわけです。

このプロセスは、行動科学では「コミットメントと公言」と呼ばれています。目標を公にすることで、社会的なプレッシャーを利用し、自分自身の責任感を高める効果があります。

さらに、自分自身に対するアプローチも重要です。「腹八分目」という言葉を食事のたびに唱えることで、自分を制御しようとしました。

これは、「言霊信仰」のように、言葉に出すことで実現に近づけるという考え方に基づいています。

自分で「私は腹八分目で満足する人間だ」と言い聞かせることで、その言葉が行動に影響を与えるのです。

そして、実際に食事をする際には、意識的に2割減らして食べるようにしました。この小さな行動の積み重ねが、大きな変化をもたらしました。

脳をだましているのか、脳に協力されているのか、どちらにせよ、脳の力を利用してリバウンドから脱出する道を見つけることができました。

まとめ

この道のりで、リバウンドの原因となった3つのポイントに立ち向かい、行動科学の知見を活用して克服していきました。

疱疹後神経痛の痛みが和らいだのも幸運でしたが、それだけではありません。私は3ヶ月でリバウンド前の状態に戻ることができました。

体内年齢も6歳若返りました!

以下にその結果を示します。


そして、リバウンドを乗り越えた今、貯筋ダイエットは開始から1年という大きな節目を迎えました。

筋肉量が増え、体脂肪が減ったこともさることながら、私にとっての最大の成果は、「セカンドライフに向けた新しい朝活中心の生活習慣が確立できた」ことです。

次回はこの新しい生活習慣についてお話しします。1年かけて完成した、私のモーニング・ルーティンはいったいどんな感じなのでしょうか?!

4-4. 朝のルーティンが一新!」でお会いしましょう!

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